出会いがあれば別れもあるというのは当たり前のことかもしれません。ただ,素直に受けとめることのできない別れもあります。
今夏,飼っていた犬が亡くなりました。このワンちゃんには,家族で惜しまない愛を注ぎ込み,大切に大切に育ててきました。その反動からか亡くなった時には見たこともないぐらい涙が溢れてきました。
自分の生涯の中で,自分以外の生命の最初と最期の両方を見ることはこれから先もないでしょう。それだけに,このワンちゃんの一生はどうだったのか,本当に幸せだったのか,うちに来たことは良かったのか,好きな食べ物はなんだったのか,好きな場所はどこだったのか,もっとしてあげられることはなかったのか・・・色々と自問自答する毎日が続いています。一度でいいから,一言でいいから話がしたかったです。
アメリカには古くからの言い伝えで『虹の橋』というのがあるそうです。かわいがっていたワンちゃんは天国の前の『虹の橋』で待っていてくれて,一緒に『虹の橋』を渡って天国に行くというものです。一時的な別れを受けとめることこそが,ワンちゃんにとっての一番の供養になるのかもしれません。
現在は深大寺で安らかに眠っています。今でも思い出すのは,深大寺で納骨をしたあと食べたおそばが涙でしょっぱかったことです。本当にありがとう。
吉井賢一郎